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ノーコード開発の実用性とデジタルシフトについて

ノーコード開発とは

ノーコード開発とは、これまでエンジニアがプログラムのソースコードを書くことで実現していたシステム・アプリケーションの開発を、コードを書かずに開発することが出来るプラットフォームのことを言います。
また、一部のコードについてのみコードで対応するものを、ローコード開発と言います。

ノーコード・ローコード開発が注目を浴びた背景としては、DX化の推進における、「2025年の崖」問題や、コロナの感染拡大による急激なデジタルシフトへの対応が必要となったことがあげられ、これらの課題解決となることが期待されています。

これまでにない急激な変化に対して、新しい技術を取り込み順応していくことが、今後の競争優位性のカギとなってくるのです。

2025年の崖とは

2025年の崖とは、現在DX化を進める中で、このままDXの推進を阻む課題を放置すれば 2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じる、という日本の企業が抱える問題について、総務省がレポートした内容が発端となっています。

2025年の崖の主な課題は以下のような内容です。

■レガシーシステムの問題
既存のレガシーシステムのブラックボックス化により、データ活用などDX化への対応が難しく、また保守にも多額の費用がかかっており、新しいシステムへの投資が困難な状況になっている問題。

■IT人材不足
IT人材の育成が遅れており、求人倍率も毎年上昇を続けるなど、IT人材の不足が解消されていない問題。また、そもそもITの専門でない企業では社内ナレッジの仕組みを確立させることが難しく、育成という分野でも大きく後れをとっている。

■社内ノウハウの蓄積
これまでアプリケーション開発はベンダー企業に丸投げの状態が多く、社内にノウハウが蓄積されず、DX化での課題解決においても社内で議論できず、新しい技術よりも既存システムの保守が優先されている。

これらの問題が解決できないと、今後グローバルな環境では競争力を失い、日本の経済に致命的な打撃をもたらすと予想されているものです。

ノーコード・ローコード開発により これらの問題を全て解決できるものではありませんが、企業がデジタルシフトを進める上で、ノーコード・ローコード開発プラットフォームを使用することでスピード感を持って対応を進めることは、大きな手助けとなることは間違いないでしょう。

コロナの影響によるオフラインビジネスの崩壊

ノーコード・ローコード開発が注目を浴びる要因には、コロナの影響も大きく作用しています。

2020年のコロナの影響は、ビジネスモデルに大きな影響を与えました。
特に、オフラインでのビジネスにおいては、もはや機能しないといっても過言ではない状態です。

まず、飲食店や小売店など、直接来店をともなう業種は、緊急事態宣言とともに、閉店や時短営業を余儀なくされ、さらに店舗に製品を卸しているメーカー企業も、当然その影響を直接受けることになりました。

また、業種に関わらず、クライアントとの対面営業活動にも大きな制限がかかり、あらゆるサービスや製品の販売についても、営業活動がままならず、他にもセミナーやカルチャー、アミューズメント系の施設にはそもそも集客が出来ず、交通機関の利用も大幅に減少、消費材だけでなく、あらゆるサービス営業活動にも支障をきたしました。

これらの影響はまだ記憶にも新しく、現時点でも継続されていることは実感されているかと思います。

これまで、デジタルシフトへの必要性については、様々な形で提議されてきましたが、コロナによって、オフラインビジネスがそもそも機能しなくなったことで、オンライン化の必要性が未来の話ではなく、今まさに必要になってきており、DX化という側面だけでなく、すでに現在の営業活動に直結しており、企業にとって死活問題となっています。

ノーコード開発の主な種類

このように、システム開発にかかるコストやスピード感の向上が今後の競争力となるとして注目されているノーコード・ローコード開発ですが、機能的に大別すると、
以下のように3つの種類分けられます。

1.ビジュアルプログラミング型

ビジュアルプログラミングとは、視覚的にボタン操作やドラッグ&ドロップによって操作することによって、アプリケーションを開発するサービスになります。
アプリケーションを開発するためのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)のようなものです。

ビジュアルプログラミングの考え方自体は、以前よりあるもので、CMSツールのWordPressやMovableTypeなどは、ノーコード開発のビジュアルプログラム型サービスと言うことができ、ECのカートシステムなどでは、MakeShopやfutureshopなどはシステムを完全にパッケージ化したノーコード型のアプリ、EC -CUBEなどはローコード型アプリと表現することが出来るかと思います。
昨今では、より進化し、スマホアプリ開発のYappliや、ECカートシステムのShopifyやBASEなどのようなビジュアルプログラム型のサービスも登場しています。

【主なサービス】
Bubble、STUDIOなど


2.スプレッドシート連係型
スプレッドシート連係型では、Googleのスプレッドシートにデータをいれていくだけで、自動的にスマホアプリを制作することができます。
エクセルベースの知見があればスマホアプリを開発ができることで注目されており、昨今ではこのタイプのサービスがどんどんリリースされています。
有名なところではGlideなどあり、他にもAirtableなど初心者向けに特化したサービスも登場しており、用途や難易度によって使い分けることが出来ます。

【主なサービス】
Glide、Airtableなど


3.ワークフロー連係型
上記の2つとは異なり、ワークフロー連係型では、Web APIとWeb APIを連係させ、色んなワークフローを自動化することができるようになるタイプのものです。
例えば、Gmailに届いたメールに添付されている画像などを、DropBoxなどのストレージサービスに自動的に格納させ、かつSlackのような社内コミュケーションアプリに通知をさせる、といったような各アプリ・サービス間をAPIで連係させ自動処理させる、といった既存のシステム連携と行うことで1つのシステム構築していくことができます。

【主なサービス】
Zapier、Integromatなど

ノーコード開発の課題

非常に魅力的なノーコード開発ですが、実用性という面では簡易なシステムに限定されている、というのが現状です。

その理由の1つは、ノーコードだけではビジネス的な要件が達成できない、という側面が大きく関係しています。

ビジネスに必要な要件はどうしても複雑になってしまい、その複雑な要件を全て達成できるノーコードはまだ現れていません。
また、もし要件を満たすノーコードがあったとしても、拡張性やメンテナンス性を考慮すると採用が難しいケースがあります。

例えば、拡張性の面でいえば、ビジネスが軌道に乗り、業務や機能を拡大させたいとなった場合でも、ノーコードでは対応できないケースが考えられます。
また、競合のノーコードで使用したい機能が実現可能となった場合でも、容易にサービスの乗り換えが出来ない、といった面も出てくるでしょう。

これらの解決には、ノーコード開発において、一定のインターフェイスやデータフォーマットについて共通性が必要になってきます。

もう1つは、コードを書く必要はないがアプリ内容を設計する上では、エンジニア的な考え方が必要となってくる点です。
簡単なWEBサイトを作るアプリを作成する上でも、インターフェイスや機能性をアプリに織り込んでいくのは、専門的な知見やノウハウが必要になってくるため、WEB制作に携わる人であれば可能かも知れませんが、サイトの運用に携わらない非エンジニアの人が制作するには、まだまだ現実的ではない、というレベルです。

ノーコード開発の実用性について

このように、ノーコードだけで複雑な要件や将来的な拡張性に対応することは難しいため、現時点ではローコードによる開発がメインとなっています。

しかしながら、ノーコードに実用性がない訳ではありません。
例えば、簡単なアナログ業務をノーコードで自動化出来る部分は多く存在しますし、規模感のあるシステム開発を伴う場合に、デモアプリをノーコードで開発し、プレビューしながら要件を確認するなどには、非常に使い勝手が良いと感じました。

現在増えている、アジャイル型での開発でも、ノーコードを活用することで、最終的にローコードやスクラッチで開発する上でも、ブレの少ない効率的な開発を行うことが出来るはすです。

ノーコードでもローコードでも、特性を生かして使い分けることで、業務効率化やビジネスに生かせる企業と、そうでない企業に差が出てくる時代が訪れようとしています。

デジタルシフトによって、今後の競争力はITリテラシーに依存していくといっても過言ではないかも知れません。


January 19 , 2021
T.Shinoda


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