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インサイドセールスとは~導入検討と活用のポイント~

インサイドセールスを必要とする背景

営業に関わる方であれば「インサイドセールス」というフレーズを耳にすることが昨今増えたのではないでしょうか? 特に2020年より猛威を振るうコロナウイルスの影響を受け、様々な業種で以前のように「担当営業が訪問して、案件を獲得し、その後複数回の商談を経て受注に至る」という黄金パターンが否定され、現在ではむしろ「来社なさらないでください」との申し出を受ける傾向が増えているかと存じます。

コロナ禍以前は「営業が訪問する為の、見込み客(リード)獲得のために、ガンガン営業電話をかける」といった当たり前の行動を、現在では「オフィスに電話しても担当不在」「オフィス電話が留守電」といったケースも多々増えている事と存じます。(弊社もリモートワーク主体の為、オフィスの電話は基本自動応答での応対となっております)

今回は、弊社でもアフターコロナを見据え、「インサイドセールス」への取り組みを開始しましたので、事例と共にご紹介します。

インサイドセールスの役割

「インサイドセールス」の定義として、弊社では「サービス(商品)を求める方に対して、最適なご案内と情報を提供する」事を主眼に、従来の営業手法である「アウトサイドセールス(フィールドセールス)」を対立する役割として捉えるのではなく、協業して営業全体が一体となって取り組む手段の一つとして考えています。
インサイドセールスについては、組織規模や組織体制によって、定義の仕方、また組織の組み方も様々なパターンがありますが、以下の内容については一つの例としてお読みください。

インサイドセールスによる見込み客(リード)獲得

インサイドセールスを設定する一番の狙いは、見込み客(リード)を新たに獲得することです。具体的にはこちら側から見込の有無に関わらず営業電話を行うのでは無く、潜在的なお客様が欲する目的に対して、適切な情報を紹介する事で、結果、新規受注に繋がると考えます。

一例で申し上げますと、弊社の自社WEBサイトも、2020年にリニューアル致しまして、その際にWEBサイト上で掲載する情報についても「インサイドセールス」を意識した内容を盛り込み、大幅に更新・追加いたしました。その結果、弊社宛に毎月お問い合わせを頂く件数は、WEBサイトのリニューアル前と比べて、942%の伸び率となっております(前年同月における比較値)
比較した前年の同時期は、インサイドセールスとして問い合わせからの流入について明確な取り組みを行っていた訳では無く、ごく一般的な問い合わせ施策を行っていた数値なので、弊社にとってWEBサイトリニューアルは、事前想定以上の大きな効果を得られることができています。

問い合わせ件数の増加に比例して、結果として見込み客(リード)につながる件数自体も増加しているので、当初の狙いは達成している状況です。

インサイドセールスによる反響数の増加

インサイドセールスにおいては、お問い合わせを頂いた中から、弊社の提供サービスに合致している領域にフォーカスして案件化へとつなげていけます。自然にお客様の期待される内容と弊社で提供できる内容との合致速度も上がり、また双方にとって結果時間の短縮・効率化につながっているので、問い合わせ側、提供側共にメリットがあります。

一方、アウトサイドセールスでは、まずはリードの獲得を最優先することから始まりますので、先方の狙いと提供サービスとのすり合わせに最大注力することになる為、双方の合意形成まで時間と労力を割く事になります。
こうしたすり合わせ作業を短縮・効率化できることもインサイドセールスのメリットです。

インサイドセールス導入の結果としての業務効率化

特に現在のコロナ禍においては、非対面・非接触での営業が求められる傾向が続いています。以前はオフラインの場でまずは「名刺交換」から、という流れだったのが、現在では直接お会いすることなく、オンラインでのやり取りを通じて関係性を構築することも増えました。
コロナ禍以前は、アウトサイドセールスにおいて、訪問商談1時間、前後の移動時間に1時間×往復の2時間の合計3時間を要していた商談が、コロナ禍の現在では「オンライン商談」1時間のみ、前後の2時間は別業務に充てられるようになり、新たな業務時間の創出が可能になったとも言えます。
結果として、アウトサイドセールスとインサイドセールスの業務領域も以前のように明確なモノではなく、両面での活動を融合させ、新たな動き方が営業に求められる時代になりました。

インサイドセールスを実務フローとして導入

インサイドセールス導入にあたっては、体制構築と共に、事前に用意しておくべき2つの項目があります。

①インサイドセールスにおける、ストーリー構築
 ・どういうターゲットに、どういうサービス・商品を紹介するのか?
 ・どういうコミュニケーションを行っていくのか。インサイドセールスではメールや電話が主体となるため、見込み客(リード)とのやりとりを想定した、綿密なストーリーを事前に構築しておく必要があります。
アウトサイドセールスと異なり、コミュニケーション時における先方の興味度や温度感といった感覚的な情報をその場で得ることが困難な為、コミュニケーションを開始する前の事前準備が不可欠です。

②リストとのコミュニケーションプロセスをデータベース化
 ・リード毎に、いつ、だれが、どういうやりとりを行ったのか、内容を記録しておくことが必要です。相手方の異動や業務内容の役割変更により、昨日までのNOだった方が、明日にYES、という事も十分想定できますので、見込み客(リード)とのコミュニケーションプロセスのデータを残していく事も肝要です。

インサイドセールス導入のメリット(デメリット)

改めて、インサイドセールス導入における、メリットとデメリットを比較してみます。

メリット:
・新規見込み客(リード)獲得に効率的である。新規リード獲得に費やしていた費用と時間を大幅に削減できる
・獲得した見込み客(リード)に対して、多くのアプローチが可能
 営業担当者個人のアポイント~商談クロージングだけでなく、インサイドセールスの仕組みとして取り組むことで、少人数でも多くのリードに対してアプローチが可能な為、営業行動に対しての生産性向上につながる。
・インサイドセールス導入により、少人数でも多くの顧客がカバーできる

デメリット:
・見込み客(リード)との関係構築、親密度を上げにくい
・見込み客(リード)に対して紹介した内容に対する温度がわかりにくい

インサイドセールスにおいては、十分なメリットがある反面、少なからずデメリットもある事は認識しておく必要があります。基本的にサービスや商品を選ばない手法ではありますが、デメリットで挙げた「営業とリードとの距離感・温度感」については、十二分に注意する必要があります。インサイドセールスを「主」として用いるのか、「従」として用いるのかは企業・組織によって考慮頂ければと思います。

インサイトセールスに導くための情報提供 

「ウェビナー」の人気度動向
コロナ禍においては、様々なサービス、企業がオンラインに切り替えることが必然的に求められたため、コミュニケーション手段をWEBに求め、充実させたことで、以前にも増してインターネット上には玉石混交な情報があふれかえっている状況になっています。
例えば、インターネット上でのセミナーを意味する「ウェビナー」という言葉も現在では当たり前の様に使われていますが、コロナウイルス流行前の2019年には、ほんの一握りの方にしか使われていない言葉でした。
更にインターネット上にも情報にあふれかえった現代において、お客様側では以前にも増して情報の選択、比較検討が難しくなっていることを鑑みますと、インサイドセールスにおけるWEBサイトの重要な役割として、単に「自分達がお伝えしたいこと」「自分達が何を考え」「何が得意なのか」「何が提供できるのか」といった、表面的な説明だけを行うのではなく、より一歩、WEBサイトに訪れて頂く為の工夫、また訪れて頂いた際には有益な情報を提供する、そこで初めて次のステップ、商談や更に実践的に踏み込んだ情報提供が必要な時代だと言えます。

WEBサイトを構築して終わりではなく、当たり前の様にSEO対策を施し、そして新しい情報を常に発信し続け、ピンポイントで刺さる情報提供が求められています。


June 9 , 2021
I.Yamada

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