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AIとは何か(5分でつむぐAI解説)

AIとは何か、弊社の論点

AIに対する見方や概念は非常に幅が広いと感じています。
ある概念ではAIと人間そのものの能力の比較、また一方ではAIと人間の脳の構造と情報伝達方法に関して、AI=ロボットに近い概念もあります。
またAIを活用した事例も翻訳から車や工事現場で働く機械まで多種多様です。
その中で弊社としては当面、AI=プログラムの一種としての立ち位置からお話ししていきたいと思います。
まずは弊社山本が執筆いたしましたコラムを、もう少しかみ砕きながら、進めていきます。

AIとは

まず言葉としてのAIの意味合いについてです。
AIとはartificial intelligenceの略で、日本語で「人工知能」という意味です。「コンピュータなどを使って人間のような知能を再現する技術」と定義されています。境界はあいまいになってきていますが、いわゆるコンピュータが得意な単純な計算ではなく、人間の脳のようにより創造的なアウトプットを目指しています。
とはいえ、創造的なアウトプットというものが明確でないため、ひとまずは事前にインプットしたビッグデータを解析し、単純に想定していた計算結果以上のアウトプットを出すものがAIだというふうに認識されていると思います。

もう少しかみ砕いて言うと、AIの中にも松竹梅といったランクがあり、
aという条件ならYという答えを出せ。=梅コース(初心者コース)から
a, b, c, d, e, f, g・・・という条件が多数に及ぶもの=竹コース(中級コース)
といったように条件が単一から数万レベルの条件で探すものまであります。
条件要素を教師データ、教師データを活用したプログラムを機械学習AI(プログラム)といいます。
機械学習AIの特徴は2つ
・1つか数万かの違いはあるもののある条件というものは決まっていて仮にその条件に当てはまらなければ答えが導き出せない。
・確率的に一番高いものが仮に決まってしまったらやはり一番確率が高いものを回答してしまいがち
という点です。
しかし、そこは人間です。たまにはいつもの選択を変えたい。あるいはいつもの条件ではない選択を迫られる。こともあるでしょう。
こうした選択の幅を考慮したプログラムがディープラーニングとなります。
もし仮に確率的に高いaという条件がなくなったら・・・という風にわざと条件を遮断して別な回答を導き出そうとすることで選択の幅を広げることを可能にします。
この選択の幅を広げてあげること=創造的なアウトプットしているのが現時点でのAI(プログラム)となります。

AIの歴史について

AIの歴史はコンピュータの進化の歴史と言っても過言ではないくらい相関が高く、もっと言うとコンピュータを動かすソフト(=プログラム)の開発の歴史そのものと言っていいくらいです。そしてAIの歴史は注目と深耕を3回ほど繰り返し現在に至ります。
1回目の注目、AIブームは1950年代後半〜1960年代に訪れます。
この時注目されたテーマは、コンピュータを使い難解な問題が解けるのかということでした。例えば、パズルを解く、迷路から脱出するなど、Aという答えに素早く答えを導き出せる。ということが世間を驚かせました。
しかし、
① ルールを決める条件が多岐にわたる
② 複雑な計算が必要な問題の解決ができない
ことに失望感が広がりました。
2回目のAIブームは1980年代に訪れます。
特長は2つ。
・1つはコンピュータが特化型の知識を得て発展したこと。
・そしてそのためハードも分化していったことです。
第1回目のAIブームでは、上記
① ルールを決める条件が多岐にわたる
② 複雑な計算が必要なもの
を解決できませんでしたが、2回目のAIブームでは、
① に関しては、多岐にわたる条件を人工的に設定し、成功するサービスが現れました。ゲーム機とゲームカセット(=ゲームプログラム)です。主人公の行動設定を限定したうえでその条件を多岐に設定し、その条件を再現する(=正解を導き出す)と枝分かれした次のコースに進んでいけるとしました。
また、②の複雑な計算を行うことができないという課題は、投資や医療機器の分野に専門家の判断を計算式で表現するプログラムが登場したことで一気にAIプログラムの活用が広がりました。
専門家の高度な意思決定を支援するプログラムは「エキスパートシステム」と呼ばれ、この後様々な分野でのAIプログラムが開発されました。
しかし、無敵に思えた第2回目のAIブームも1つは沈静化してしまいます。
ゲームの世界で着実に広がっていきましたが、②の課題は人間が「常識」として判断すべき前提条件までをルール化できなかったため、自動で放っておくととんでもない事態を招きました。その1つが投資AIプログラム(=デリバティブ)で、ある前提条件になかった条件が生まれた瞬間際限なく負債が膨らむなど社会的な問題も生みました。

AIの現在地

第3回目のAIブームは上述した機械学習とディープラーニングで、2010年から注目が広がり現在に至ります。
第2回目AIブームで課題として残った「常識」=人間らしさの判断が人間を考える契機となり、脳の情報判断方法の研究を応用してAIプログラムを考えようとするニューラル・ネットワーク・プログラムの機運が生まれました。また、GPUといった計算機の能力の向上、ビッグデータを共有して分析するという社会的な動きも相まって、処理する量が飛躍的に増えたことでマッチング精度も格段に上がります。
そしてディープラーニングの登場です。
過学習という現象により常に確率の高い解析結果だけが導き出されるのではなく、定期的に重要な条件要素を遮断することで、いつもはAだけど、いつもと違う条件ならB、あるいはCといった選択の幅を導き出せるようになりました。
このディープラーニングプログラム(DLP)の進化で、画像解析や映像解析、自然言語の分析から言語を活用した音声の生成。音声から文字の生成が可能になりました。
これにより多くの作業ツールが生まれ始めています。
(AIツールの活用に関しては別途コラムでご紹介させていただきます。)

AIの可能性を広げるディープラーニングプログラム(DLP)

現在注目されているディープラーニングプログラム(DLP)に関しもう少し掘り下げてお話します。
ディープラーニングプログラム(DLP、深層学習)とは機械学習の一部です。
機械学習は、与えられたデータから規則や法則を見つけ出してアウトプットする技術で、
これにより、コンピュータは未知のデータを分析したり、その中から適切なアウトプットを生み出せるようになりました。AIは主に将来予測に使われるようになってきましたが、そのためには事前にデータを与えなければなりません。この事前データ(条件付き)を教師データといいます。
機械学習で適切なアウトプットを得るには、インプットする教師データをきれいに整理する必要があります。(データを整理する作業をデータラングリングとも呼びます)
機械学習を実行するということは、
・膨大な教師データ(条件要素)を見つけ、
・そのデータをきれいに整理(データラングリング)し
・ある目的に合わせて統計処理する(分析する)
必要があります。

しかし、分析すればするほど、データが多くなればなるほど1番確率が高いものは結論が変わらず、どんな条件でも答えが一緒になってしまう現象が多くなります。
この現象を「過学習」といい、過学習により答えの多様性に欠けるという課題が浮き彫りになりました。

例えば耳の長い犬のような写真を見て、ちょっと違和感があるけどこれって犬じゃなくてウサギの写真かな。と人間は判別できますが、機械学習AIのプログラムでは判断できない。画像の色の配置から耳は長いが色合いの構成からは犬である。とどうしてもなってしまう。こうした時「犬じゃない」という条件で判断したら、つまり今まで判断していた条件から導き出される答えを「遮断」した場合、もっとも可能性が高いのは「ウサギ」という今までとは違う答えが導き出され、「そうこれこそ答えだよ。」とプログラムを設定していったらどんどん判別精度が上がっていくことがわかりました。
通常の機械学習にこの定期的な条件「遮断」のプログラムを加えたものをディープラーニングプログラム(DLP)といいます。
過学習とディープラーニング(DLP)に関しては、「この画像がセクシャル? 過学習が巻き起こすAI(ディープラーニング)のとんでも判別」をご参照ください。

AIの今後

分野別政府研究開発費割合
世界に比べて情報分野、特にAIは日本が最も遅れている分野の1つといわれてきました。
ソフトバンクの孫社長はじめとした経営者や研究者の中でも指摘されている方がおられます。日本と世界の研究開発への投資分野の金額や割合、特許出願件数などでの指摘もあろうかと思われますが、僕個人の私見で言えばそこまで絶望的な感覚はなく、最終的な活用分野の違いと核心的特許数などの技術差も考慮しなければならない事情があろうかと思っています。AI活用がいわゆるITサービスではなくIoT分野、産業ロボット分野等に広がっている点も注目されるかもしれません。サービスやモノの革新への活用とともに生産現場の社会としての生産性向上への活用という側面も見逃してはならないでしょう。
特定企業がAIで生産性を高め、社会全体として失業率が高い。ということなのであれば社会として見たときに必ずしも幸せなAI活用とは言い難いかもしれません。
僕自身がAIに注目している点はこの社会としての生産性を上がる活用を目指したいからです。
そして、ディープラーニングで触れたようにAIを知れば知るほど、多種多様な回答と多種多様なプロセスがあるのだと知ることができます。
つまり「間違い」(を恐れる必要)はない。と思えてきます。
大袈裟ですが僕には「AIとは」が「I(私)とは」に見えてきました。(笑



June 1 , 2021
s.yamamotoの文章を
s.kurasawaが加筆。

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