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汎用型AIと特化型AIとはなにか

汎用型AIってなに?

昔、こんなシーンがあったのを覚えてますでしょうか?
ある刑事ドラマです。
取調室の様子を窓越しに見ている目撃者。刑事が目撃者に尋ねると、「そうです。あいつです!」「いや、見たことないですね。」といった返事が帰ってきます。
もし、目撃者に恣意的な感情がなく、時間の経過が早ければ、有力な証拠になるかもしれません。

これ、AI的にいうと機械学習での「顔認証」あるいは「画像認証」プログラムとでもいうのでしょう。
論理的には「色コードの構成比率が◯◯%の確率で~時~分、××という場所で見た人物」ということになりそうです。
もし刑事さんが、あなたが見た人物の「色コードの構成比率から◯◯%の確率で彼といえるのか、計算して答えてくれ。」と聞いたらおそらく目撃者は答えられないでしょうが、人間なら普通にこんな論理回答を省いてパッと「Yes」「No」を答えられるかもしれません。

このように人間ができること、あるいは人間以上にできることを可能にするプログラムを汎用型AIといいます。

汎用型AIの研究アプローチ

実は、汎用型AIの定義は非常にあいまいですが、注目されるきっかけになったのは、Ray Kurzweilの著書「The Singularity Is Near」が発表されてからでしょう。
彼らはこの中で、2045年に「人類に代わって文明の進歩の主役」になる可能性とそこに至る技術的な課題、それを解決しうる4つの方法に関して論じています。
そのアプローチ方法は大きくは、工学的アプローチ、生物学的アプローチの2つ、さらにそれぞれ2つの方法で分けられ、4つのアプローチとなります。
以下が4つのアプローチです。

■ 工学的アプローチ
  ① 機械知能
    既存AI(機械学習)の高度化、延長で汎用AIを目指すもの
  ② 全脳アーキテクチャー
    人間の脳を詳細に模倣することで汎用AIを目指すもの

■ 生物学的アプローチ
  ③ ブレイン・マシン・インターフェイス
    人間の脳と計算機やPCを直接つなぎ脳の活動を読み取ろうとするもの
  ④ 認知エンハンスメント
    人間の脳に人為的に介入して、人間の知能を越えようとするもの

工学的アプローチは、既存AIアルゴリズムに加えて、認知科学、神経科学との融合を通じた全く新しいアルゴリズムの開発が必要で、
生物学的アプローチでは、脳内に埋め込むチップや電気的な技術課題に加え、ヒトクローンへの危惧など倫理的・宗教的な課題が大きいとされてきました。

汎用型AI、その研究の現状

しかしながら、工学的アプローチはニューラルネットワークの研究の進展によりディプラーニングという手法が開発され、その精度が大きく進化し始めました。
また、生物学的アプローチも、チップを脳に埋め込まずとも脳が出す微弱な電流を検知する技術の発達により、脳のどの部分が活性化しているかという研究が進み、例えば、マーケティングリサーチでも脳の活性化度合いでCMの良し悪しを判断するといった手法が行えるようになってきています。

特化型AIとその実用範囲

では、特化型AIはどうでしょう。
特化型AIとは人間が行っているある作業に特化して、その作業効率を上げるように取り組むプログラムです。
アウトプットする範囲が限定されるので比較的早く高度化できるメリットがあります。
特に近年は、ディープラーニングという機械学習の手法の発達により、非常に高い精度のAIプログラムが生まれ、その活躍の範囲も広がってきています。
その主なジャンルは、
 ①言語処理:チャットボット、名刺管理アプリ、文字校正ソフト、自動文章作成の研究
 ②音声認識:Alexaなどのスマートスピーカー、Siri、声変換ソフト
 ③画像認識:レシートデータの読み込み、手書き文字の読み込み、顔認証、肌診断、年齢・性別解析
 ④感情処理:ロボット受付、コールセンター受付
 ⑤推論、探索処理:パズル解析、ゲームづくり
と多岐にわたりますし、①②の組み合わせによる文章読み上げソフトや①④ツイートのPN診断など各ジャンルとの組み合わせにより新しいサービスも生まれています。

特化型AIの開発アプローチとその課題

特化型AIはその開発アプローチが、教師あり、教師なし、強化学習といった大きく3つの方法に分かれます。
 ① 教師ありアプローチ
   教師データとよばれるデータとその回答を用意し、Aという条件ならA'という答えを表示せよ。というプログラムを作成していきます。 
   これまでのプログラム開発の延長にあり、用意するデータも比較的少なくて済むことから現在でも数多く活用されています。
   生年月日を入れるだけであなたの未来がわかります、というよくある占いサイトなどはこの走りでしょうか。
 ② 教師なしアプローチ
   教師データはないのですが、判断基準となる情報を膨大に分析し、例えば「あ」の発音に似た波形グラフに近いものを探しだす。など正解に近しそう。
   といった分析に基づき回答します。
   現在AIといわれるものは一般的にはこのアプローチによるものを指すことが多いと思われます。
   ディープラーニングの定義はやや幅がありますが概ねこの教師なしの機械学習の1つと見なすことができると思います。
 ③ 強化学習アプローチ
   ゲームでよく使われるプログラムアプローチで「報酬」によって重要度を変化させるアプローチです。
   例えば、こういうイベントに参加したらレアな剣がもらえるなどのアプローチが、重要度の調整により様々な変化を生みやすいことからゲーム以外で
   人事評価や戦略立案など経営の意思決定でも活用を検討する場面が増えています。

上記の中でも①の方法は回答がわかりやすく、アウトプットのイメージが正確に読みやすいのですが、反面意外性に乏しく、状況が変化した場合に、条件と回答を用意し続けなければならないなどの弱みがあります。また、②③も意外性を生み出したり、画一的ではない回答、状況の変化に対応した回答ができる可能性が①よりは高いものの、②の教師なしアプローチでは膨大な情報を収集し、クリーニングすることが必要となる点、③の強化学習では重要度の調整が結局人任せでこの甘辛で大きく状況が変化するため、人間なしですべて自動化していくことが難しいなどの課題が生じます。

AIと弊社の取り組み

汎用型AIはとかく人間をプログラムが越えられるか否かの議論になりやすいため、汎用型AI(もしくはAI)=アンドロイド(もしくはヒト型ロボット)と誤解を生じやすい側面がありますが現実的には脳及び反射神経を模したプログラムととらえる方がいいと思っています。そう、筆者はあくまでもAI=プログラムとの認識にまずは立っています。
現時点では、総合的に人間を超える能力を持ったアンドロイドはまだまだ先のように思えますが、例えば人間よりもはっきり色を認識出る8K映像をとらえるレンズとその周辺機器が存在するようにそのデータを解析することで人間の目を超える精度判断ができるAIが登場することはそう遠くない未来に実現できる、あるいはすでに実現できているかもしれません。
いずれにせよ短期的な視点に立てば、経済や経営的にはAIかどうかよりもその技術により、如何に今の作業が効率化されるか。精度があげられるか。暮らしが便利になるか。が重要でしょう。
そのために何に特化したAIジャンルが今後生まれるのか。その中のどの分野に弊社の提供するサービスを提供していくのか。
おいおいそんな話が語れるといいなぁ。と思っています。


2021/5/6
S Kurasawa

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