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ABM(アカウントベースドマーケティング)とは(その3)

ABM(アカウントベースドマーケティング)において、ターゲット企業を細かく振り分ける重要性。

前回、ABM(アカウントベースドマーケティング)とは(その2)で触れたように、ABM(アカウントベースドマーケティング)に取り組む際には、事前にターゲット企業(アカウント)の選定が最重要です。

ターゲット企業を選定するには、企業規模と提供するサービス領域に応じて、様々な考え方がありますが、業種 企業規模 立地等のポイントと共に、最重要視すべき点は「ターゲット企業の『実体的な組織』によるタイプ分け」にあると考えます。

例えば「総務部」という名称と役割一つとっても、企業によって役割が大きく異なり、対外的な一フロント業務に徹している企業もあれば、法務面から広報の業務領域、営業支援業務、MAツール等の選定に関わっているようなケースもあり、部門名だけで仕分けるのではなく、その内実まで踏み込んで仕分けることができれば、より充実したリードリストが準備できることでしょう。

ABM(アカウントベースドマーケティング)実践時におけるターゲット企業の最終決定

ここまで、ABMの概念を実践的に進める流れをご紹介してきましたが、社内に所有しているリスト情報を全てを整理しようとすると、これまでの営業スタイルと何ら変わらなくなりますので、改めてABMの第一段階、「ターゲット企業」について考えます。

 「ターゲット企業」の選出は、「自社にとって収益貢献」を早期にもたらす事が目的ですので、

①企業別受注シェアからみる分析(実績軸):対象企業自体が自社にとって、既存取引先なのか新規に取引を始めた企業なのか?

②案件の分別(実績軸):受注した案件に継続性が有るのか無いのか?スポット契約かどうか? 

③自社で育てていきたいカテゴリー、企業とのマッチング(創出軸):自社の「企業リスト」を見直し、今後伸ばしていきたい、育てていきたいカテゴリーとの、類似性や相関性が有るのかどうか?

全ては、今回ABMで抽出した企業より、新たに受注した後、更に永く継続、また伸長することを考慮して、ターゲット企業選別することが重要です。

ABM(アカウントベースドマーケティング)による、人物(リード)ターゲットを振り分ける

ターゲット企業を分解していくと、ターゲット企業に所属する人物についても更に掘り下げる必要があることがわかってきます。

自社の誰と、ターゲット企業の誰がつながっているのか? ターゲット企業で関係のある人物の部署は? 役職は? 業務役割は? 業務の範囲は? といった名刺から読み取れる情報、更に名刺に記載されていない付加情報こそ最重要な情報があふれており、ABMを導入すべき理由でもあります。

名刺に記載されていない付加情報については、多くの場合は関係をもつ営業担当者、あるいはインサイドセールス担当者、マーケティング担当者等、ターゲット企業担当者と多く接点とコミュニケーションを取っている者に集まりますが、この点、この内容が可視化されない限り、AMBとしての考え方、面と面でのつながりに拡げる事が出来ず、今まで通り営業担当者と企業担当者との「点と点」での関係性に終わり、企業間取引拡大にはつながらずに終わってしまうことでしょう。

ABM(アカウントベースドマーケティング)における、「人物(リード)」見極め

対象ターゲット企業も決まり、提案する自社商材も決まった段階に入ると、いよいよ「人物(リード)」を見極める事が必要になってきます。

商談段階では、

・提案した内容には必ず賛同してもらえる担当者
・提案した内容に賛同はしてもらえるが、長年契約に至らない担当者
・提案した内容にアドバイスをもらえる担当者
・提案した内容はさておき、現状を語ってくださる担当者
・業務実務内容を語ってくださる担当者
・あらかじめご自身の業務実務上の課題を語って頂き、その解決方法の提案を望む担当者

等々、人物(リード)毎に一定の傾向がある事を、営業を経験者なら記憶にあるのではないでしょうか。

常に提案先の人物(リード)が、「契約」or「非契約」のジャッジを下してもらえれば、次に進めるので有難いのですが、残念ながら何らかの事情で、「いつも提案は聞いてくれるが、その先(契約)に進まない」担当者が存在することも事実でしょう。

ABMを進める上で、「自社にとって収益貢献」を早期にもたらす事が大前提ですので、
こうしたターゲット企業内における「人物(リード)」のリスト上の見極め作業も重要な工程です。

ABM(アカウントベースドマーケティング)を進めるにあたり

これまでに3回にわたり、ABM(アカウントベースドマーケティング)における、「ターゲット企業(アカウント)」「人物(リード)」の考え方と整理方法を実践に即しながら書き下ろしてきましたが、実際にはより生々しい話と情報を交え、行きつ戻りつしながら絶えず「選択と集中」を念頭に弊社も進めて参ります。


February 2 , 2021
I.Yamada

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