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WFHとはなにか -新しい働き方を模索して-

通勤は本当に必要なのか? WFHによるニューノーマルワークスタイル

WFHと通勤
又、少しコロナ感染が拡大傾向に入ってきましたね。
欧米の様子とは違い日本は比較的TV報道やネットの情報も静かに進んでいるように見えますが皆さまはいかがお感じでしょうか?

コロナ禍でもう普段の働き方として定着してきた「在宅型ワークスタイル」。
これまで私たちは何の疑いもなく、交通機関を使い東京首都圏では約2時間、大阪近畿圏では約1時間半、名古屋中京圏でも1時間の電車やバスを使った移動を強いられ働きに出ていましたが、こうした移動なしに在宅勤務だけで一日が終わることも増えてきたのではないでしょうか。

それに伴い、クライアントとの対面面談や会議がWEBで行われ、アフターファイブの飲み会が行われることも少なくなったことと思います。

こうしたニューノーマルな働き方であるワーク・フロム・ホーム(=WFH)に関して、そのメリットやデメリット、そしてそれを活用した業務の効率化に関するポイントを今一度考えてみましょう。

WFHとは

WFHとは
そもそもWFHとはどのようなものと意味付けられるのでしょうか。

Work From Home は英語圏では、日本でいう「在宅勤務」という意味で使われており目新しい単語ではありません。
元々WFH(ワーク・フロム・ホーム)は、介護や子供の教育的諸事情、身体的な問題などで家でしか働けない方々の勤務形態でした。
これに対し、テレワークは、IT技術を駆使して外に出なくても働ける環境を構築し、敢えて家で働くことを選択した勤務体系で、WFHとはその使われる意味合いが違っていました。

しかし、コロナ禍により様子は変わり、当初はコロナ禍により半ば強制的にWFHを強いられる。という立ち位置から、こうした状況を積極的に活用して企業の生産性を高めていこう、そのために新しいIT技術(例えばWEB会議システム)を積極的に活用していこう、というテレワーク的な意味合いに変化してきました。

WFHのメリット、デメリット

WFHでの働き方では多くのメリット(得られるもの)があると考えられています。

前述したテレワーク的な意味合いに近いということから考えると、
① 電話や話し声に邪魔されずに自分の作業に集中できる
② タイムマネジメントを自然に意識して仕事ができる
③ 創造性が向上している
④ 計画通り業務を遂行できる

又、仕事の生産性とは離れますが、
⑤ 家族との会話が増えた
⑥ 通勤の苦痛から解放された
といったメリットを感じる方も多いのではないでしょうか。

一方で、デメリットはどうでしょうか?弊社が社内の従業員に確認した内容では以下のような声が上がってました。
① 新しい提案を営業しにくい
② 会社のメンバーにすぐに確認して済んでいたかことがそうはいかなくなった。逆に時間がかかる
③ 余計な会議や調整事が増えた
④ 逆に業務量が増えて生産性が落ちたのではないか
⑤ 飲みに行けなくてモチベーションが上がらない    ・・・(苦笑

皆さんの会社ではいかがでしょうか?

WFHで、組織として失う恐れのあるもの

ハーバードビジネススクールのバーンスタイン准教授、テキサス大学らのアメリカの多様な業種・職種のホワイトカラーに対する調査によると、WFH後に以下のような組織としての損失があるのではと述べられています。

① 新人研修の実施
自社のビジョン、沿革、業務プロセス、社風などの会社の流儀を教え込むのは問題ない。
強みを発揮して本来の自分を表現することを認める。ことが難しい。深みのある多数のやりとりが必要。

② 「緩やかな結びつき」の生成
長期にわたってつながる人間同士のさほど重要ではなく深入りもしない関係性を指す。
「緩やかな結びつき」は新情報や補完的な専門性をもたらすためイノベーションにとって重要。

③ 人間関係の醸成
ジョブローテーション、集合研修、職能分野を超えた異動についてあまり価値がないと考え始めている。
最前線のマネジャーには「チーム内・間で実り多い関係性を築かなくては」というプレッシャーがある。

上記のようにどちらかというと直接的な生産性の低下ではなく、教育や人間的な側面、情報共有など間接的に生産性を押し下げる可能性が高い内容が挙げられています。

特に、組織における自己承認欲求や知の記憶理論で紹介したSMMの一部やTMSに影響を与えると考えられることから、PJTへの取り組み意欲や企業への忠誠心の低下を招き、即座の課題解決に時間を要するケースが続発する可能性が高いと思われます。

WFHを活用した最適な働き方とはどうするべきなのか?

これまでの議論から今後どのようにWFHを活用すべきなのだろうか。

諸所で語られていることの中で筆者が特にも重要と考えるのはおおよそ以下の3つであろうと思います。

① 公平性を保つこと
勤務形態や出勤頻度、勤務時間がある意味で皆公平でなければならない。ということです。
NHK特集でサイボウズ株式会社社長の青野さんが仰っていた通り、保有能力や情意的評価(頑張っている、意欲的に取り組むなど)ではなく、ある意味で成果型の評価体系にしていくことも1つの解決策かもしれません。

② 定期的なミーティングを増やす
中々会話を積極的に行える状況ではありませんが、タスクに応じた会議の種類を意図的に増やし、積極的に会話を促す仕組みを作るのは有効ではないかと感じています。運用を間違うと無駄話が増え、タスクの調整弁につながりかねませんが、弊社はタスク毎に細かく、時間を細分化することで運用しています。

③ WFHとWFO(ワーク・フロム・オフィス)を必ず織り交ぜる。
どっちかだけでなく、定期的にオフィスに向かうことで前述した失う恐れの高いものへの対処も行っていく。
弊社の場合にはマネジャーが職種ごとに定期的な時間配分を行い、こうした取り組みを行っています。

上記のような取り組みも功を奏し、弊社自身、昨年以上の一人当たり粗利(=生産性)を上げてきています。

まだまだ道半ばの弊社取り組みと考察ではありますが、皆様方の組織生産性の一助になればと思います。


November 5 , 2020
S.Kurasawa

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